2011年7月25日月曜日

まっすぐな道、よりも

 学生の就活情報を聞く時期になった。わたしが関係する講座にはマスコミ志望者が多い。今年はゼミ生12人のうち、5人が新聞社や通信社に内定した。いきおい飲み会はにぎやかになるが、彼らの心模様は一様ではなさそうだ。
 西日本の有力ブロック紙に内定したR子さんは迷っている。親族の長老から「女の子がヤクザな業界に入ってどげんすっと。嫁にいけんと」と責められた。「どう思いますか」と聞くから、「警察に出入り自由のヤクザはおらんと」と答えた。あまり慰めにならなかったか。
 もう一人、T君は第1志望に振られ、別の全国紙から内定をもらった。でも、ぐじぐじと未練を引きずっている。彼には、わたしが愛してやまない変人、種田山頭火の超不定形句を送ろう。    

まっすぐな道で さみしい
 
Tよ、この意味わかるか? 漂泊の人生を送ったアウトロー俳人、山頭火の神髄をわたしが知っているわけではない。しかし山頭火が言いたかったのは、人生まっすぐ見通せる道より、先の見えない道にこそ味がある、というこっちゃないか。
ラフロイグのロック飲みつつ諭したら、Tは「うふふ、深いですね」と笑った。
家に帰ってアイスコーヒーを2杯。山頭火のもう一句が浮かぶ。
    
    ふくろうはふくろうで わたしはわたしで 眠れない

 眠れない時間の長さが、君たちの成長のあかしだよ。(の)