2011年8月29日月曜日

なぜ卒業要件は124単位なの?

 入学時のオリエンテーションでも説明があったはずの単位制度。今、日本の高等教育界では、その実質について熱い議論が交わされている。

 基本的に1単位を修得するには、15時間の教室授業と、30時間の準備や課題を加えて、計45時間の学習が必要である。月~金曜日まで18時間、土曜日に5時間学習して1単位となる計算である。19世紀末以降、アメリカで考案されたこの単位制度は、学習も労働も“ワーク(work)”と表現することを考えると理にかなったものだろう。

 1学期は基本的に15週である。となると、1学期に修得できる単位数は15単位、年間では30単位。4年間で120単位である。1日に8時間の学習を4年間続けて、やっと卒業できるのである。

 日本の大学では昔から「単位を修得しやすい」と言われ続けている。教室授業以外での学習時間を確保しなくても単位を修得できている、というのがその論拠だ。大学のグローバル化が進む今、45時間の学習がなくても1単位を修得できるようでは、たしかに日本の大学に対する世界の信頼は失墜するだろう。そこで近年、あらゆる大学で、単位の履修登録制限、いわゆるキャップ制度が導入されたのである。もちろんキャップ制度で解決する問題ではなく、学習の実質が問われる多くの大学が抱える課題である。

 あれ? 残りの4単位は?
 これは、戦後改革のときに保健体育を必修として4単位付け加えた名残とのことである・・。うーむ、やはり根本から、高等教育関係者は単位制度について認識を深める必要があろう。(しろくま)
(参考文献:舘昭 2007,『改めて「大学制度とは何か」を問う』 東信堂.)