2011年10月4日火曜日

異郷のジャズ

上海のジャズバーで1930年代のスイングを聴いた。

ベニー・グッドマンの ’Sing Sing Sing’ やデューク・エリントンの ‘Take the A train’ といった定番も、宵闇の上海外灘で聴くとノスタルジックで、どこかセクシーな響きをかもし出す。
息の合ったアンサンブルが本来のスイングバンドだが、ここのバンドは絶妙に音がはずれたり、サックスやピアノが勝手にアドリブを振ったりして、それはそれでジャズ好きにはたまらない。
よく冷えたシンガポール・スリングもうまかった。

演奏の最後はホーギー・カーマイケルの ‘Georgia on my mind’.
1960年代に盲目の黒人アーティスト、レイ・チャールズが情熱的に歌って世界的なヒットとなったが、30年代の原曲は物静かな旋律だ。幸か不幸か、ここの上海バンドの適度な“音ズレ“が原曲に近いメロディーに聴こえ、時計を巻き戻してスイングの世界に浸った。上海に行ったら聴いてみて。
           ◇
バーを出て、近くの食堂に入った。
隣のテーブルの若い中国人が上海語なまりの北京語でわたしに話しかけてくる。「エーケービ・スーシパー」と写真を見せてくれた。コスプレ少女と彼が握手しているお宝写真だ。
AKBスーシパー(48)ということか。

ノスタルジックな上海バンドの余韻は一転したが、今度は愛嬌のある彼のスーシパー話に聞き入った。

 上海の夜も悪くない。(の)