2012年4月4日水曜日

花ニ嵐ノ・・・


3日午後の入学式は台風のような激しい風雨に見舞われた。新生活のスタートに水を差された思いの人も多かったことだろう。
でも、ものは考えようだ。唐詩の「勧酒」にこんなくだりがある。

    花開けば 風雨多し
    人生 別離足る

 井伏鱒二がこれを「花ニ嵐ノタトエモアルゾ、サヨナラダケガ人生ダ」と読み替えたから別れの歌と誤解されるが、本当は出会いを喜ぶ歓迎の歌である。作者は詩の前段で、酒をなみなみとついだ大杯を友に勧める光景を詠み、後段をこの2行で結んだ。解釈するとこんな具合か。

     風雨にあって花が散る定めのように、
     人生には別離が待っている。
     だからこそ花が散らないうちに、
     別れが来ないうちに、
     友よ、大いに飲みかわそうではないか

 そう、門出の嵐は新しいスタートの象徴だ。新入生諸君は得がたいチャンスにめぐりあえたね。
 新しい友にいっぱい出会い、大いに語り、いつか振り返って、あの嵐の入学式が人生のすばらしい出発点だった、と言える日がきっと来るよ。(の)