2012年8月7日火曜日

せめてふつうに

 オリンピックのテレビ放送を見ていて、笑ってしまう場面がある。陸上100㍍金メダルのウサイン・ボルト。試合後のインタビューが日本語のテロップになると、だいたいこんな具合に翻訳される。
 「オレを生きる伝説と呼ぶのはまだ早いぜ。金メダルはオレの仕事だ」。
 これにつられてかどうか、新聞でもボルトは「オレ、オレ」でしゃべりまくることになり、最後は「ニヤリと笑った」で締めくくられるのが定番パターン。

 どうでもいいけど、メディアに異議あり。
 なんでボルトがしゃべるとタメ口になるの? なんで「ニッコリ」笑わせてあげないの? それってジャマイカ国民に失礼じゃありません?

 それで思い出したが、プロ野球の清原選手がしゃべると、翌日のスポーツ紙は「ワシは」とか、「ワイは」とかで語ったことになっている。本物の清原は礼儀正しいスポーツマンで、公式の場では「ボク」とか「自分」としか言わない。間違っても「ワイは」なんて言いませんワ。

 現役時代の朝青龍も、スポーツ紙では言いもしない「下品な言葉」で記事にされるのが常だった。銀座でインタビューされている中国人観光客だって、尖閣問題で発言すると、これまた怒りのタメ語テロップが画面に流れる。北方領土のロシア人も不思議なほど堂にいったタメ語を使いはる。なんでやねん?

メディアは何事も先入観で決めつける愚を犯してはならない。きれいなセリフで糊塗する必要はないが、せめてふつうの日本語に翻訳すればいいじゃないですか。それをタメ語として読み取るかどうかは、テレビを見ている視聴者の感性にまかせてほしい。

と、きょうも暑い夜に八つ当たり。(の)