2012年10月25日木曜日

話のお遊び

 特上にぎりの盛り合わせを注文したとする。ネタは、いか、まぐろ、あなご、甘えび、ウニ、イクラ、トロ、赤貝、たい、帆立としておこう
 さて、あなた何から食べる?
 これ、作家の丸谷才一さんとの雑談のなかで教わった。話題が途切れたときに結構使える話のネタで、おまけにその人の性格までなんとなくわかるという。

 わたし?
 た→帆→い→ま→ウ→甘→ト→あ→赤→イ、かなあ。好きなものの並びに近い。そう答えるとすかさず別の人が発言。「た→帆、は正解だが次の、い→ま、はいかんな。味わいにコクがない。い→、と来れば次はイクラに決まっとる」。
 するとまた別の人、「いや、この並びは味のグラデーションを追求しており、深遠だ」。
 わたし「・・・」(そんな深い考え、ないんですけど)。

 ト→ウ→あ→甘→赤→イ→帆→た→ま→い、という人もいた。わたしとほぼ逆コース。これに対しては「値段の高いものから行ったな。哲学が見られない」とばっさり。
 とりわけ「ト→ウ→あ」の序盤と「た→ま→い」の終盤が「アルマーニのジャケットにユニクロのパンツを合わせた珍奇性を見る思い」と手厳しい。
 ほかに、ト→い→赤→ま→ウ、と値段が高い→安い→高い、を繰り返す人は「思想がない」と一喝された。
 
 とかなんとか、爆笑の中で話ははずんだ。
 大別すれば、盛り合わせ寿司の食べパターンはこうなる。
 ①好きなもの → 嫌いなもの
 ②値段の高いもの → 安いもの
 ③魚系 → 貝系
 ④白身 → 赤身
 これにそれぞれの逆コースが加わり計8パターン。中には「どこかでガリを入れてくれ」とバリエーションを主張する人もいて談笑はつきなかった。
 丸谷さん、天国でも洒脱なジョークで周りを笑わせているだろうか。(の)